TOP > 脂漏性皮膚炎について
脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)は、過剰に分泌された皮脂が真菌によって分解される過程で、皮膚に炎症やかゆみ等の症状を引き起こす病気のことです。
脂漏性皮膚炎は、最近は真菌(マラセチア・フルフル真菌)と呼ばれるカビの一種が何らかの要因で異常繁殖することにより、皮脂の分泌が過剰な場所に炎症を起こすなどの症状が現れるということが近年わかってきました。
主な症状を挙げると(管理人の場合)
などです。
- 毛穴から黄色い脂の塊が出る
- 頭皮や顔・耳、股、背中、腋の下などに炎症やカユミがある
- 患部の皮がむけたり、頭から大量のフケが出る
これらの症状がある場合は、まずは皮膚科の診察を受けてください。
脂漏性皮膚炎に関する詳しい解説をしているサイト
フケ・脂漏性皮膚炎(ヤンセンファーマ株式会社)
外用ステロイド剤(リンデロンVGなど)の抗炎症剤と、ニゾラールローションなどの抗真菌剤を使用するのが、現在脂漏性皮膚炎の治療に有効な方法です。ただ、症状のある箇所や皮膚科医の方針によって治療法が異なるのが現状です。
なかには明らかに脂漏性皮膚炎なのにもかかわらずステロイドのみを処方する医師もいますが、これは最も良くない方法です。
ステロイドのみを長期間使用し続ければ、一時的に炎症が治まることはあっても、結果的に皮膚の免疫力は下がり、さらに菌が繁殖しやすい環境をつくってしまいます。
これは脂漏性皮膚炎抗真菌剤が効くことが知られたのがここ数年であるため、それを知らない医師も多くいるということもあるかもしれません。
脂漏性皮膚炎の治療にニゾラールローションなどの抗真菌剤とステロイド等の抗炎症剤の併用が効果があることは、
日本医真菌学会の臨床試験でも報告されています。
治療のためには外用薬で炎症やかゆみを抑え、それと並行して規則正しい生活や食生活の改善などで過剰な皮脂を抑えることが必要になります。
- 日本医真菌学会の臨床試験報告(2003)
- ニゾラールなど抗真菌剤の臨床試験報告(PDFファイル)
脂漏性皮膚炎の治療のためには、ニゾラールローションなどの抗真菌剤と、炎症を抑えるリンデロン-VG等のステロイド剤を症状に応じて使用します。 入浴やシャワーで患部を清潔にした後で、ニゾラールローションを炎症やかゆみのある部分の周辺に広範囲に塗ります。そして、ステロイド剤を炎症のある部分だけに塗ります。
インターネットで購入する場合は、なるべく添加物の少ないローションタイプを選択します。
ステロイドの長期使用に不安がある場合は、市販の抗炎症薬を使うのも良いでしょう。(個人的におすすめなのは、新レスタミンコーワ軟膏です)
外用薬の使用によって皮膚の真菌を減らし、食生活を含めた生活環境の見直しによって過剰な皮脂を減少させるのが、改善への近道になるのではないかと思います。
ステロイドの使用は副作用がありますが、なかには長期間に渡ってステロイドを処方する皮膚科医もいます。
ステロイドは長期間の使用には適しません。なるべく短期間、炎症のある部位にのみ使用します。まずは医師の処方に従ってください。特に、顔には絶対に使用しないでください。
個人的には最初から市販の塗り薬を使うか、使うとしても炎症がひどい箇所に塗り、使用はなるべく1〜3ヶ月以内にとどめたほうが賢明です。
長期間に渡ってステロイド処方され続ける場合は、ときに自分で使用をやめる判断も必要です。
頭皮に炎症やかゆみがある場合は、香料や添加物の少ない、なるべく抗真菌作用のあるシャンプーを使用します。市販されているものではコラージュフルフルシャンプー、輸入代行サイトなどで入手できるものではニゾーラルシャンプーなどがあります。炎症を悪化させる恐れがあるので、洗うときは絶対に患部を強くマッサージしてはいけません。泡立てネットなどを使って優しく洗うようにしましょう。
当たり前ですが、飲酒や喫煙は控えます。
外食など、油っこいものやカロリーの高いの食生活を送っている人は野菜や魚中心の食生活に切り替えます。
なるべく肉や油っこい食べ物やお菓子などの間食は避け、野菜やビタミンBの含まれる納豆、レバーなどを摂るよう心がけます。
ビタミンB・ビタミンCを含むサプリメントなどを摂るのもいいでしょう。
- ビタミンBを多く含む食べ物
- 魚介類・レバー・納豆・しいたけ・わかめ類・魚肉ソーセージなど
- できるだけ控える食べ物
- お酒・タバコ・揚げ物などの油っこいもの・お菓子などの甘いもの・香辛料を多く含むものなど
食生活の改善とともに、胃腸の具合を整えることが、あらゆる皮膚疾患の改善に役立つという話が最近聞かれるようになっています。
方法としては、食事の際は、よく噛んで、ゆっくり食べるというものです。
- ビタミンBを多く含む食べ物
- 魚介類・レバー・納豆・しいたけ・わかめ類・魚肉ソーセージなど
- できるだけ控える食べ物
- お酒・タバコ・揚げ物などの油っこいもの・お菓子などの甘いもの・香辛料を多く含むものなど
なるべく毎日決まった時間に十分な睡眠時間をとり、生活リズムを整えます。
寝ているとき無意識のうちに患部をかいてしまう恐れがある場合は、薄手の手袋などを着用する方法もあります。
入浴の際はなるべく香料など添加物の少ない石けんやシャンプーを使用します。抗真菌効果のあるニゾラールシャンプーやティーツリーオイルシャンプーなども効果的です。脂漏性皮膚炎の改善のためには、食生活を含めた生活環境の根本的な見直しが必要です。
肌が触れる身のまわりのもの(タオル・枕カバーなど)は、できるだけこまめに洗濯するよう心がけます。
また、じめじめした部屋の換気、定期的な掃除などもこまめにやりましょう。
周囲の生活環境を清潔に保つことをを心がけ、タオルや枕カバーなどもこまめに洗濯しましょう。
言うまでもないことかもしれませんが、脂漏性皮膚炎の治療にはこの生活環境の改善がとても重要です。